Sub7.戦術講座「縦深防御」

前回の戦術講座では超攻撃的な戦術である「浸透戦術」を紹介しました。

今回は「縦深防御」と呼ばれる戦術を紹介します。

一般的に想像される「防御」というのは「攻撃側の前進を拒否し、その地点を維持すること」という認識だと思います。

「縦深防御」では反撃しながら後退し、攻撃側の前進を遅らせながらもあえて前進させることで、防御側に有利な地点に誘い込んで少しずつ攻撃側の戦力を奪っていく戦術となります。

この戦術の特徴であり、高い防御力を有する秘訣はその編成と配置、運用にあります。
※ここからはサバゲーベースで考慮していきます。

まずチームを前衛・中衛・後衛(人数比3:3:3など)のように平均的に振り分け、全ての部隊はフィールド侵攻方向にむけて前・中・後ろと層になるよう防御線を形成します。

前衛部隊は前進してくる敵を制圧射撃や後退などを行って敵の足止めを行います。

そして敵がこちらの前衛部隊を包囲すべく側面へと回り込んできたところを、中衛部隊が迎え撃ち、さらに中衛の側面を狙う敵を後衛部隊が迎え撃つのです。

このように進めば進むほど、敵が回り込もう回り込もうとするほど、こちらの防御に参加する味方の人数よりも敵は少人数になっていくのでそれらを各個に撃破していくのが「縦深防御」の肝となります。

敵は知らず知らずのうちに戦力をバラバラに分割してしまい、戦力の集中ができなくなっていくのです。

もし敵が最初から突撃・突破を図ってきても、防御側は3層でそれを迎え撃つので、各層を全滅させながら進まない限り、敵は自分から包囲されることになります。

ただこの戦術は前衛・中衛・後衛が高度に連携を取る必要があり、敵の移動方向をその後ろに控える部隊が把握できなければなりません。またフィールドもなるべく広く利用する必要があるので、ゲームする場所によってはうまく機能できないこともあります。

そして前衛は移動量も多く、倒されないことが重視され、中衛は前衛の援護を行う為のスピードが、後衛は現れた敵を確実に倒す狙撃力が必要とされます。

前回紹介した「浸透戦術」に比べると連携と役割分担がより必要になりますが、敵が攻撃的な戦術を採ろうとすればするほどその深みに嵌めてしまう強力な盾となる「縦深防御」。

次回は縦深防御と似た名前で全く異なる戦術を紹介したいと思います。

《ミリタリーオウル》

本サイトはサバゲーを分隊単位で戦うことでよりタクティカルに楽しんで勝つことを目的として、軍の教範の一部や戦術学を筆者の経験と解釈でどのように活用するかを紹介しております。 ステップを読み進めるごとに内容が把握できるようにしておりますのでできれば初めからお読み頂けると幸いです。

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